八丈島企画「大森靖子の夏休み」'13
東京に住んで3年目に大森靖子さんの音楽に出会った。(自業自得で)アイドルの現場に疲れきっていた季節だった。ライブハウスへ行けば大森靖子さんのライブを毎日のように見られる環境に東京在住の幸せを噛み締めていた2013年の夏。
なのに突然の八丈島ライブ。しかもお盆シーズン。
情報は「大森靖子の夏休み」というタイトルだけで、それが何なのか、なぜ八丈島なのかはまったく解らない。解らないけど面白そう。大森靖子さんのライブを八丈島で開催なんて、絶対に面白い何かが起きるに決まってる。
情報は「大森靖子の夏休み」というタイトルだけで、それが何なのか、なぜ八丈島なのかはまったく解らない。解らないけど面白そう。大森靖子さんのライブを八丈島で開催なんて、絶対に面白い何かが起きるに決まってる。
勢いだけで八丈島に行こうと決めた。
アイドルの現場で鍛えた勘は当たっていた。
アイドルの現場で鍛えた勘は当たっていた。
2013年の夏は、ちょうど実家が事実上の解散をして親戚付き合いも解消された年で、里帰りをする義務が無くなったからスケジュールは空いていた。
渡りに船だ。超楽しい船がきた。
八丈島はあたたかくて湿った風がびゅうびゅう吹いていた。
海は美しい青だけど白い砂浜は見当たらない。ドロドロの溶岩が固まって出来た岩場に、強い波がぶつかり続けている。湿度が高くて、屋外の鉄骨製の手すりを触るとべっとりと濡れていて怖かった。八丈島の海は時間で色が変わるらしい。確かめようと海を見ていたら、通りがかりの人がわざわざ車を停めて心配そうに「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。
南国のリゾート地かと思っていた八丈島は場末感があって、どこか懐かしかった。
時間があるから八丈島植物園へ。
鮮やかな緑とピンク。
狂気を感じるペーパークラフト「ともだちさっちゃん」
PotHallはアロエが茂るライブハウス。
大森靖子さんと後藤玲美さんの2マンライブはやはり素晴しく、ゆったりした進行で盛り沢山のセットリストを楽しんだ。ギターの音色は東京で聞くよりも暖かみがあるようにも感じた。空気が湿っているからかな。
八丈島企画は主催の小崎君が 故郷で大森靖子の音楽を聴きたい!という熱意だけで実現した企画。情熱と、それを応援する八丈島のかっこいい大人たちの協力で成り立っているアットホームな企画。そんな手作りのイベントで聴くハンドメイドホームは最高。
ライブの後は海辺でみんなと一緒に花火。
魔法が使える靖子ちゃん。
小崎君をはじめ島の人たちはびっくりするほど親切で優しい。なぜか美人が多い。芝生でBBQする美人姉妹たちは海外ドラマのワンシーンみたい。こっそり激写していたら隣で靖子ちゃんも盗撮しまくっていた。
八丈島は流刑地だったという。※そして流刑になる罪人はイケメンが多かったという。島に美人が多い理由の一つかな。
たくさん遊んで、たくさん食べた。
とれたてぴちぴちのお刺身は歯応えがすごい。白身なのにカニとエビの味がする。
2時間も車を走らせれば八丈島を一周できてしまう。2日間も滞在していると、島の人はVIPねえさんと呼びだした。裏ルートでレンタルした千葉ナンバーの車を乗り回す私は謎の存在だったみたい。
帰りはフェリー。憧れのお見送りダッシュに泣いた;;
ドルオタの友人談「CDを100枚買ってもアイドルはこんなことしてくれないよ(;;)」
フェリーが出発する港は底土港(そこどこう)
底土の字面を見て「私のことだ…」とつぶやく匿名少女ちゃん。あらためて好きだなと思った。
底土の字面を見て「私のことだ…」とつぶやく匿名少女ちゃん。あらためて好きだなと思った。
東京までは10時間のクルーズ。
船内の自販機でビールとハーゲンダッツを買って、匿名少女ちゃんと甲板に2人並んでずっと海と夕日を眺めていた。海の色が変わるって本当だった。
東京に近づくにつれ海は濁ってくる。
海が泥水色に濁り、ゴミが浮かぶとそこは東京湾。お盆最終日の湾岸はあちこちで花火が上がっていた。ゲームをクリアしたみたいな旅の終わり。
海から東京-竹芝浅橋港に降り立って、ほっとする自分がいた。
楽園のような八丈島の青い海はとても美しかったけど、海は壁だった。島をぐるりと囲む海はどこか怖い。
けれどもまた東京も小さな島なのであった。
泥水と壁に囲まれた東京。東京で私は生活して、大森靖子の音楽に出会った。東京で彼女は歌を生み出している。
東京で出会えた音楽を八丈島で味わえる贅沢な夏休み。
今年も八丈島の夏がはじまる。一緒に遊ぼう。