2014年1月 七人の七菜乃展
2014年を振り返る 1月の思い出。
『七人の七菜乃展』に参加しました。
特殊モデル”を自称するモデル「七菜乃」。クリエイターたちの「イメージ」という一種の欲望を顕現するため、彼女は時に母となり、時に聖女となり、時に妖婦となり、時に生贄となる。時代性や属性から解き放たれた変幻自在の彼女を前に、クリエイターたちは自らの奥底に澱のように堆積した「イメージの残滓」を解放せずにはいられない。と同時に、赤裸々となる欲望とも、真摯に向き合わざるを得なくなる。作品としての「結構」と、被虐的ですらあるこの「イメージの解放」がせめぎ合いながら、「二つ巴の紋」のように均衡した時、ヌード写真はひとつの品格を手に入れる。だとすれば、今回の7人のクリエイターは、確かに品のある絶妙な仕事を成し得ていると言えるだろう。それは個々の力量と真摯な精神活動=“葛藤”の結果であることは言うに及ばないが、もうひとつ、変幻自在に作品の触媒として機能した七菜乃というモデルの魅惑を無視することはできない。7つの葛藤が、ひとりのモデルを七色に染め上げた。「7人の七菜乃展」、それを目撃できる至福に、貴兄もなす術なく大いに溺れるがいい。(玄光社フォトテクニックデジタル編集長・藤井貴城)
フォトテクニックデジタル12月号「7人の七菜乃」特集
「七人の七菜乃」は7人のクリエイター(上野勇/田口まき/武井裕之/伴田良輔/舞山秀一/増田ぴろよ(撮影:内野秀之)/村田兼一 ※敬称略)による競作特集でした。
七菜乃ちゃんについての文章も書きました。
7人の七菜乃展
7人の七菜乃展
上野 勇/田口まき/武井裕之/伴田良輔/舞山秀一/増田ぴろよ/村田兼一
2014年2月7日(金)~23日(日)
開廊時間:12時~18時(金曜日は19時まで)休廊日:月曜日・火曜日
特殊モデル”を自称するモデル「七菜乃」。クリエイターたちの「イメージ」という一種の欲望を顕現するため、彼女は時に母となり、時に聖女となり、時に妖婦となり、時に生贄となる。時代性や属性から解き放たれた変幻自在の彼女を前に、クリエイターたちは自らの奥底に澱のように堆積した「イメージの残滓」を解放せずにはいられない。と同時に、赤裸々となる欲望とも、真摯に向き合わざるを得なくなる。作品としての「結構」と、被虐的ですらあるこの「イメージの解放」がせめぎ合いながら、「二つ巴の紋」のように均衡した時、ヌード写真はひとつの品格を手に入れる。だとすれば、今回の7人のクリエイターは、確かに品のある絶妙な仕事を成し得ていると言えるだろう。それは個々の力量と真摯な精神活動=“葛藤”の結果であることは言うに及ばないが、もうひとつ、変幻自在に作品の触媒として機能した七菜乃というモデルの魅惑を無視することはできない。7つの葛藤が、ひとりのモデルを七色に染め上げた。「7人の七菜乃展」、それを目撃できる至福に、貴兄もなす術なく大いに溺れるがいい。(玄光社フォトテクニックデジタル編集長・藤井貴城)
Feb 7 (Fri) -Feb 23(Sun) “The Seven Nananano ”
Gallery hours during the exhibition are 12:00-18:00 from Wednesday through Sunday (19:00 on Friday)
The Gallery is closed on Monday and Tuesday.
Nananano considers herself a “Specialty Model.” In compliance with the “image” to which the artists she works with aspire, at times she becomes a mother, at others a saint, a seductress, and even a sacrifice. Before her protean visage that transcends era and attribute, the artist must stir up the sediment and unleash the accumulated “dregs of the image.” At the same time, they must seriously confront their unvarnished intention. As works of art, the “construction” of the work conflicting with the “unabashed image” come into balance like the “two-comma crest” bringing a dignity to nude photography. Considering this, I would say that seven artists have achieved a high level of quality in this exquisite work. And while it goes without saying that the diversified product of distinct individual abilities and their sincere spirit can result in “discord”, there is one thing that cannot be ignored: Nananano, the fascinating model who served as the catalyst for this kaleidoscopic collection. Even if you have no experience in art, you may still indulge in the immense bliss of viewing the “The Seven Nananano Exhibition.
” Photo Technique Digital (Genkosha), Chief editor, Fujii Takaki
7人の七菜乃展で制作した「新宿回転ベッド×七菜乃ちゃんポストカード」全9種類+a
神保町画廊のUstreamアートコンシャスチャンネルの収録風景。司会は口枷屋モイラさん。
出演:七菜乃、舞山秀一、上野勇、藤井貴城、増田ぴろよ
「7人の七菜乃展」のイントロダクションも寄稿している藤井貴城さんのtweetがすばらしく文学!です。
"物語への誘い…村田兼一さんの七菜乃作品。バイオリンを構える彼女の意思的な目と体のラインの美しさ。"
"インテリジェンスという衣をまとうヌード作品。舞山秀一さんの七菜乃作品。"
"雑誌グラビア的前衛へのオマージュ。伴田良輔さんの七菜乃作品。"
"押し絵のような写真。増田ぴろよさんのつくる写真の世界にのめり込む兄はやがて遠眼鏡の向こうに消える。"
"光まばゆい水彩画のような武井裕之さんの七菜乃作品。"
"休日の七菜乃さん…かのような、さりげなく、ほどよい弛緩と生っぽさ。田口まきさんの七菜乃作品。"
"少年の憧憬と戦き。年上の人はいつも自分を見ていない。上野勇さんの七菜乃作品。"
七菜乃ちゃんの存在自体が、文学との親和性が高いのです。
八丈島企画「大森靖子の夏休み」'13
東京に住んで3年目に大森靖子さんの音楽に出会った。(自業自得で)アイドルの現場に疲れきっていた季節だった。ライブハウスへ行けば大森靖子さんのライブを毎日のように見られる環境に東京在住の幸せを噛み締めていた2013年の夏。
情報は「大森靖子の夏休み」というタイトルだけで、それが何なのか、なぜ八丈島なのかはまったく解らない。解らないけど面白そう。大森靖子さんのライブを八丈島で開催なんて、絶対に面白い何かが起きるに決まってる。
アイドルの現場で鍛えた勘は当たっていた。
狂気を感じるペーパークラフト「ともだちさっちゃん」
魔法が使える靖子ちゃん。
2時間も車を走らせれば八丈島を一周できてしまう。2日間も滞在していると、島の人はVIPねえさんと呼びだした。裏ルートでレンタルした千葉ナンバーの車を乗り回す私は謎の存在だったみたい。
ドルオタの友人談「CDを100枚買ってもアイドルはこんなことしてくれないよ(;;)」
底土の字面を見て「私のことだ…」とつぶやく匿名少女ちゃん。あらためて好きだなと思った。
新宿回転ベッドPenisTextile
増田ぴろよ個展「新宿回転ベッド」
会期:2013年6月〜19日(水)12:00〜20:00 ※最終日は17:00迄
会場:新宿眼科画廊
〒160-0022 東京都新宿区新宿5-18-11
http://www.gankagarou.com/sche.html
トーキングヘッズ叢書-男の徴(しるし)/女の徴(しるし)〜しるしの狭間から見えてくること
アート・文学・映画・ダンスなどさまざまなカルチャーシーンをオルタナティヴな視点から紹介・評論するテーママガジン「トーキングヘッズ叢書-男の徴(しるし)/女の徴(しるし)〜しるしの狭間から見えてくること」特集に掲載されました。
http://athird.cart.fc2.com/ca1/86/p-r-s/
巻頭カラー4ページ、モノクロ8ページにわたって増田ぴろよの作品紹介&インタビューが掲載されています。
私のインタビュー特集を企画して下さった編集長、インタビュアーの林アサコさんありがとうございました。
増田ぴろよ〜男への復讐としてのペニス〜…す、すごく物騒な見出しですが、インタビューでは作品テーマとそれに至る経緯、美大時代のこと、ぺ凡なの、南宇都宮石蔵秘宝祭としQちゃん…など。
作品以外にも家族のこと、友人のこと、関わってきた人のことなど沢山語っています。
私の作品は男性不在で、男性の象徴は自分と女を映しだすための鏡としてしか機能していない。その大きな理由として、私の生まれ育った環境についても語っています。
増田ぴろよ名義で作家活動するようになって、特に性モチーフの作品は解りやすさとひっかかりの良さで発表の場に恵まれました。
性モチーフは誰だってひっかかる。だから作品テーマについて「なぜ?どうして?」聞かれる事がとても多い。
その割にはサービス精神の無さでテーマやコンセプトを語ることがほとんど無かったのですが、困る事が増えてきたのでここぞとばかりに語っています。
作品テーマを語らなかった理由は「この言葉は誤解をまねくんじゃないかな?誰かを傷つけるんじゃないかな?」と今さらびびってしまっていたから。
あと面倒だったから….。
性悪のくせに小心者で横着なの;;ごめんなさい。
人間の方にもWEBの方にも作家としての言葉が足りていなかったので、作品が意図したものとは違うように解釈されるのは当たり前で、その誤解には2種類あった。
1つ目は「欲求不満なの?」と嬉しそうに聞いてくる人(男でも女でもいる)。描いているもの=作者の好きなもの と信じている疑いの無さが羨ましい。無邪気でおめでたい。だからどうでもいい。
2つ目は「あなたの作品で傷付いた」という人。友人つてに、性や性的なものに嫌悪感のある女の子が私の作品で傷付いていた…らしいことを知った。これは憶測だけど、彼女と私は似た経験をしていて、同じ怒りを持っていると思う。
言葉にしないと作品の責任が持てない。
私は作品に責任を持つことできているかな。言葉は作品と同じくらい大切…というかそもそも人として言葉を大切に、と失言ばかりの自分に言い聞かせている。
余談ですが、私の作品テーマを最も的確に読み取ってくれたのは「美人だけど自尊心が低い女の子」にまとわりつく自称プロデューサーのサブカルおじさん。ペニスモチーフの作品は彼の繊細な自己防衛本能のアンテナに引っかかるようだ。傷付きやすい繊細なサブカルおじさんは、傷付く度に女の子に「私(俺)ってかわいそう」と泣きついていた。
どうしてそんなぶりっこが出来てしまうのか謎だし、ある意味とても羨ましい。
私の作品が、彼のコンプレックスと傲慢にまみれた感性に響いたのなら(ゝ。∂)☆と思う。彼らのコンプレックスと傲慢は私を映しだす最高の鏡だと思う。
「トーキングヘッズ叢書-男の徴(しるし)/女の徴(しるし)〜しるしの狭間から見えてくること」特集は全国書店(特にサブカルに造詣の深い書店/ヴィレッジバンガードやタコシェ)で発売中です。
村田タマさんの可愛いくて何かがありそうな表紙が目印。
編集長も「性愛だけでは終わらせない」と意気込む特集です。
作家一人一人の孤独と人生を掘り下げていて読み応えありです。
ぜひご覧ください。